大いなる遺産ってやつ?

今年のF1 GP開幕戦は豪州から。
予選トップは、撤退したHONDAからMBOでチームを譲り受けた、元チーム・プリンシパルのロス・ブラウン率いる「ブラウンGP」のJ.バトン。

リーマン・ショックに端を発した自動車業界の不況でHONDAが突然のF1撤退。チームは売却先も決まらぬまま年を越し、3月に入ってようやくブラウンGPが立ち上がったものの、初年度のSAF1のようにgdgd状態で参戦するのかと思いきや、意外や意外。バルセロナとヘレスの合同テストではトップ・タイム。
一躍開幕のダーク・ホースとして脚光を浴びるようになったけど、正直 本番では望み薄だなあ、なんて思っていた。
チーム体制が固まって3週間、好成績を出したところで2週間やそこらじゃ、スポンサーも見つからないだろうし、テスト不足では長丁場の本番ではトラブル続出だろうなあ、と。

それでも、初年度はgdgdだったSAF1が2年目には中堅チームに育ったように、ブラウンGPも長い目で見守ってやれば、イイ線いくんじゃないかって、少しだけ期待していた。
いきなりメルセデス・エンジンへの載せ換えでは、グラブロとビグロぐらいの差があるに違いないけど、アッザムに乗り換えるよりはマシだろう、なんてねw


んで、昨日の予選の結果、J.バトンとR.バリケロがフロント・ローを独占……って、ハハハ、できすぎできすぎ。でも、予想の範疇ですよ、予想の範疇……。


決勝ではバリケロがスタートをミスった後、1コーナーでのクラッシュに巻き込まれて7番手まで順位を落としたものの、1ピット作戦(←ちゃんと見ていないけど、たぶん1回だけ)で順位を稼いで、終盤で2位争いをしていたS.ベッテルとR.クビツァのクラッシュで2位フィニッシュ。
バトンは2度のセーフティー・カー導入で後続との差がかなり縮まったけど、結局ポール・トゥ・ウィン。

結局、55年ぶりに「新チームのデビュー戦1-2フィニッシュ」という快挙で幕を閉じたわけだけど……正直オデレータ。すごいよ、これ!

 

フジTVは中嶋だトヨタだってしつこいぐらい追っかけ回していたけど(そりゃ、期待はしていたけど)ええい、トヨタはもういい。ブラウンだ。ブラウンを出せ!って、ちょっとテム・レイ状態入っちゃうぐらい口吻もとい興奮しちゃったよ。


勝因はいろいろあるだろうけど、やっぱりレギュレーション変更に伴う各チームのマシンの熟成不足が顕著だったんじゃないかな。
KERS導入チームに見られたマシンのコントロール・ミスとか、明らかにホイールからはみ出すぐらいのフロント・ウイングのサイズ変更とか、ドライバーが新しいレギュレーションに対応しきれていないようにも見えた。

でも、HONDAだけは昨季のうちから今年用のマシン開発を進めていたので、それが功を奏したんだと思う。
昨季後半のHONDAのgdgdっぷりは見事だったからね。英国GP以降ポイントなし。それが来季(=今年)のための布石だと分かっていても、フラストレーションはつのるばかりだったけど、皮肉にもHONDA撤退の後になって実ったわけだ。

言ってみりゃ、ブラウンGPはHONDAの大いなる遺産を受け継いだわけだ。
チーム立ち上げにも紆余曲折あったと思うけど、その間にもマシンの熟成とテストを進めていた手まめさは賞賛に値する。


ただ、ワークス勢の開発力を考えれば、その遺産も長くはもたないだろうから、アドバンテージを持っている今のうちにガシガシ ポイント稼いで、早いとこ真っ白なボディをスポンサー・ロゴで埋め尽くして、シーズン中盤以降、そして来季へとつながるチーム運営とマシン開発を目指していかないとね。
戦力はそろっているのに資金不足で撤退なんて、SAF1のときに悲しい思いをしたから、もう見たくねーよなあ。
 

余談だけど、3位のトゥルーリはセーフティーカー走行中にL.ハミルトンを追い越して+25秒のペナルティで12位降着。クビツァに接触したベッテルは、次戦で10グリッド降格らしい。

特にクビツァは気の毒だったなあ。ソフト・タイヤでグリップがなくなってタイムが上がらないベッテルに対し、クビツァはハード・タイヤでファステスト出しながら、ベッテルを抜き去ってトップを追走しようかという勢いだっただけに、あの接触はクビツァには相当痛かっただろう。

改めてビデオで見直しても、ベッテルはグリップが弱くなっていたせいでアウトに脹らんで、逃げ場がなかったもんな。あとは速度を落として先を譲るぐらいしかないから、故意ではないんだろうけど、結局2台とも完走扱いのリタイヤで終わったということは、ベッテルの判断ミスというところかな。ああ、もったいない(←棒読み)。

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このページは、Elwood Bradhamが2009年3月29日 19:52に書いたブログ記事です。

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