気分はフランケンシュタイン博士?

産総研が開発した女性型ロボットのニュースが新聞各紙で報道されて、「痛ニュー」でも話題になっていたが、記事と写真と動画を見た俺の率直な感想。

やっぱ日本のロボット技術って、銀河系最強だわ。

人間にそっくりのロボットを作るという夢は、それこそ鉄腕アトムよりも前からあったわけだが、技術者たちが同じ目的=夢を何十年も追い続けて研究を重ね、それが着実に現実に近づいていると実感させられる。
早稲田の理工学部のWABOTのときもそうだったし、HONDAのP3を初めて見たときもそうだったし、ASIMOを見たときには来るところまで来たか、と思った。

その後のロボットは、歩くわ、走るわ、踊るわ、歌うわ、演奏するわ、働くわ、まあ普通の人間の普通の動作をロボットにやらせているだけなんだけど、今まで できなかったことが、部分的にではあるが、できるようになってきた。
そして、それらに共通するのは、ほとんどが日本製ってこと。
今まで、エポック・メイキングとかブレイク・スルーを感じさせるロボットが、日本以外の国から登場しただろうか?中には すンごいロボットを作った外国の企業や団体があるかも知れないけど、そういう話題は とんと聞かないよな。

 

それはさておき、アクトロイドを見たときは、ロボット産業が なんだかヤバい方向に向かってんじゃないか、と思ったりなんかしたが、今回の産総研の「HRP-4C」は、正直 一瞬「冗談だろ?」っていうぐらい、人間っぽく見えたので、ロボットだと知って驚いた。

顔の質感はアクトロイド並みに人間っぽいんだが(実は「HRP-4C」の顔はアクトロイドを作ったココロ製らしい)、 遠目に見たら、エヴァンゲリオンとかそーゆー系統のコスプレしている人に見えるもんだから、これは新型ロボットを紹介するコンパニオンだと思っていたのに、こいつがロボットだっていうんだもん。そりゃ驚くよ。
 

だってさ、「HRP-4C」の2世代前の「HRP-2」が、

これだぜ?

この「HRP-2」は、漫画家の ゆうきまさみがデザインしたんだったと聞いたことがあるけど、このロボットがさ、何年か後に……


こんなんなるとは、予想できんわな~www

まあ、すごいことはすごいんだけどさ、俺が疑問に思っていることがあるんだ。
それは、なぜ人間そっくりに作る必要があったのか?ってこと。

介護用ロボットの研究者たちが、見た目が人間に近い方が安心するとか何とか言っていたことを思い出したが、本当にそうなのかなあ?
ロボットが人間社会に自然に溶け込むために、異質なイメージを与えない親和性のあるデザインってのは必要かも知れないけど、ここまで人間っぽくする必要はないと思うんだ。だって、機械は機械。人間じゃない。
身体の自由が効かない人を起こしてあげたり、抱えてあげたりする役目をロボットに与えたとして、そのロボットが人間の姿をしている必然性ってのは何だろう?利用者自身が自分の世話をロボットがやっていると知っているのだから、別に人間っぽい姿じゃなくてもいいよね。
俺が要介護の老人だったら、シャア専用ザクが抱え上げてくれた方が嬉しいぞ。ガンダムは あちこち角張っていて痛そうだから却下だけどw

「HRP-4C」は確かにすごいよ。優秀だよ。卓越しているよ。冠絶に値するよ。
でもさ、たぶん、このロボットを作った意図は、さまざまな内部機構の小型化の成果で「人間サイズに収まる」ということをアピールするためなんじゃないかな、と思うわけ。
だったら、ASIMOみたいなロボロボ姿でも良かったんじゃないのかな?


もう一つ疑問がある。この人間そっくりのロボットが必要な業種って、何なんだろう?
まあ、普通に考えりゃ、ショー・ビジネスだろうな。
ロボット・ダンサーってのもありだろうし、「受付ロボ」とか「会場案内おねえさんロボ」とか「リリーフ・カー運転ロボ」とかね。
あと、人間では行けないような危険な場所に行くロボットも、やっぱり人間型の方がいいのかも知れない。月面基地建設とか、宇宙ステーションを外側から修理するとか……。

でも、そういうのって、やっぱり顔が人間そっくりである必要はないように思える。目の下に縦線が1本入っていても、業務に支障はないもん。
だったら、やっぱりエロ方面?
実際、リアル・ドールを買っている人は それなりにいるし、「痛ニュー」でも そっち方面の話が出ていたから、まあ、ないこともないだろうけどさ、世界、いや、銀河系最強の技術を、そっち方面に使うのって、なんだかもったいないよなw
 

←これ作った人って、なぜ女性型のロボットを作ろうって思ったんだろう?
ASIMOは子供の宇宙飛行士をイメージしたデザインで、老若男女に受け入れられたけど、「HRP-4C」は どっちかっていうと男性向け。しかもヲタが特に喜びそう。
確かに、今までのロボットに比べれば、スタイルは抜群。前述のとおりコスプレねーちゃんかと見紛うぐらい女性っぽい。
でも、これを作った人は、バストやヒップのラインを一所懸命に計算したんだろうし、「エヘエヘ」みたいなところが、少なからずあったんだと思う。それならそれで、「恋人を作るつもりで開発しました!」とか、胸を張って言ってくれた方が、すっきりする。

それを責めているわけじゃないけど、やっぱり どうも目的がはっきりしないので、「これが新開発の ****用ロボット HRP-4Cです!」って言って欲しかったなあ。それがないから、みんな等身大の二足歩行フィギュアに見えて、エロ方面への応用を妄想しちゃうんだよ、きっと。


さて、さんざん言いたいこと言っちゃったけど、もし、この「HRP-4C」が俺ん家に来ることになったら……要らねーよ。だって、何の役に立つんだか分からんし、邪魔だし、メンテ大変そうだもんw

でもね、これだけは言える。
ここまで人間そっくりなロボットは、今までに なかった。
現時点では、少なくとも容姿と動作の面では、最も人間に近いロボットだということは間違いないと思う。

この技術をさらに発展させて、今度はカール・ルイスに そっくりで、100mを9秒台で走る「リアル・カール君」ロボットを作ってくんないかな。そうすれば「たけしのスポーツ大将」が復活するぞ!w
 

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コメント(4)

子供の頃に胸ときめかせて
見聞した娯楽が
スーパーマン、スパイダーマン系のアメリカと
鉄人28号、鉄腕アトム系の日本人の
違いだと思います。

軍需産業へ直接進めない日本人が
平和利用産業開発に特化したと思います。
人間の動きを模倣して一部の機能を
取り出して目的別ロボットを作る為の
公的資金からの旗振り役か調整立場としての
独立行政法人は意義が有ると思う。
予算の与え方とか天下りの論は別にして。

尤も
非手続き型電脳が出てこない限り
限界は有ると思います。
出てきたら出てきたで
HALだが・・・・


 今晩は、 独創的な技術やゼロからの開発っていうのは不得意な日本人だけど手先の器用さからこんなロボット作りは得意なんでしょうね。最もその前身には川重やファナックの工作機械や金型作成機械の技術があるのだと思います。そのルーツはからくり儀右衛門まで遡るのだろうか?

技術の蓄積とか裾野の広さとは
誇らしくもあり恐ろしくもあります
金型ルーツと言えば
種子島量産時には既に確立されていたと思います
製鉄技術に関して
特に日本刀では12-13世紀には確立していたわけで
その技術が途絶えることも無く
現代まで通用しているのは凄いと思います

話題の美少女ロボット「HRP-4C」を見た海外の反応。やっぱ気持ち悪いな。http://nekomeshi2525.blog25.fc2.com/blog-entry-509.html

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このページは、Elwood Bradhamが2009年3月16日 23:52に書いたブログ記事です。

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