主人公なんて ただの飾りです。偉い人にはそれが分からんのです。

今さらなんだけど、もう25年ぐらい週刊モーニングを欠かさず購読している。

「25年」って書くと大したことないような気もするが、これを「四半世紀」って書くと途端に歴史を感じちゃうのは、一種の言葉のマジックみたいなものだろう。たぶん。

そんなことを語るつもりは毛頭なかったし、わざわざ暴露するつもりもなかったのだが、今週号は ちょっとツボ入ったページがあったので、これはスキャンしちゃえ、と。

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『サンゴクセンシ009』

は、やってくれたな「ひまわりっ」よ。

今日一番笑ったのが、この予告ページだったぞw
 

そういや、今頃思い出したけど、「ひまわりっ」って、サブタイトルの「健一レジェンド」が示すとおり、もともと南九州テレホンのお客様サービス課の超マイペース・オヤジ 林健一課長の生態を、娘のアキコ(=主人公)の視点から描いたマンガだったはずなのに、いつの間にかウイング・関&副部長と、それをいじって遊ぶ猿渡副主任のマンガになっちゃったような……って、読んでいない人にはさっぱり分からんかも知れんが、とにかくこの予告ページにもある通り、「主人公不在のまま突き進む」林課長、ホント どこ行っちゃったの?みたいな脱線ぶりが楽しい。

そこへきて、この『サンゴクセンシ009』だ。
俺も「サイボーグ009」の第2次ブームで育った世代なので、ページ左上の替え歌「誰がために共闘う」を、つい口ずさんでしまった。もお笑える笑える。

え?どこが面白いのか分からない? ただの009のパロディだろうって?

分かってねえなあ。歯ブラシ咥えていなくて、どっちかってーと石ノ森よりはチョイ竹宮惠子?っぽい副部長が、Gペン片手にポーズ付けているところがいいんじゃないか。

そして、
「コノオタクオンナドモメガ!! ホロビロ!!」
これだよ、これ。ここで俺の笑いは頂点に……つーか、俺、もしかして笑いのツボが普通の人よかズレてんのか?


まあいいや。せっかく「ひまわりっ」ネタを書いたから、一応これも書いちゃおう。
俺、猿渡副主任みたいな女性って、けっこうタイプだったりするwww
 


主人公の影が薄いといえば、どうしても外せないのが あのマンガ。「天才バカボン」だ。
それも、主人公はバカボンのはずなのに、バカボンのパパが中心になっている、ということを言っているのではない。

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「天才バカボン」のアニメは幼稚園に通う前あたりから見ていたんだが、ずっと後になって、原作が「少年マガジン」で連載中だと知って、ある日、(どういう経緯で そこにあったのかは覚えていないが)なぜか家にあった少年マガジンのページを期待しつつ開いてみたら、バカボンのパパもバカボンも出てこない、ぜんぜん違うマンガが載っていて、愕然としたことがある。トビラのタイトルは確かに「天才バカボン」なのに、バカボンのママも、ハジメちゃんも、レレレのおじさんも、本官さんも、ウナギイヌも出てこない。お馴染みのキャラクターが載っていない理由を幼い俺が知るはずもなく、ただただ絶望したという印象が、今でも深く残っている。

その後、また少年マガジンを見る機会があって、再び「天才バカボン」のページを開いたら、今度はトビラ絵にバカボンのパパ、ママ、バカボン、ハジメちゃんが載っていた。
でも、バカボン一家が話すフキダシの中には、こんな言葉が載っていた。

「どうしてワシらが出ないのに『天才バカボン』なのですか!?」
「どうしてですか!?」
「どうしてですか!?」

細かい部分は記憶が曖昧だが、とにかくバカボン一家が抗議している絵だった。
そして、トビラのページをめくると、もうバカボン一家の姿はなく、やっぱりぜんぜん知らないキャラたちばかりだった。

確か、どんなことにも「どうしてですか?」と いちいち質問攻めにする進之丞という少年に手を焼いた父親が、進之丞にジグソー・パズルを買い与えたら、そのピースを片手に持って、何十年もずっとピースを見つめたまま歳をとっていく、というストーリーだったと思う。
結局、バカボン一家はトビラ絵以外に出てこなかったのだが、その回のストーリーが俺には かなり面白かったようで、影響されやすかったせいもあり、しばらくの間、大人たちに「どうしてですか?」と質問しまくって、最後には「しつこい」と怒られたこともあったっけ。


まあ、俺の私的な昔話はともかく、連載マンガの中で主人公が忘れ去られるなんてことは昔からあるわけで、連載初期と末期のキャラの整合性を いちいち追及するよりも、それを読んだ時点で面白いと感じたのなら、主人公なんてどうでも いいのかも知れない。
ガンダムだって、作品紹介の記事中で「主人公・シャア=アズナブルは……」とか書いてあったとしても ぜんぜん違和感ないし、しょせんマンガやアニメだしなw
 


なんか、まとまりがないけど、とにかく「週刊モーニング」には割と面白いマンガが多い。

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コメント(6)

 今晩は、 天才バカボンですか?? これは全く私の人生の指標と言うか礎になったというか私の根幹の部分ですね。ああ、確かにアニメを観て少年マガジンの方を読むとGapを感じますよね。赤塚先生はアニメにはあまり関心無く「漫画とアニメは別次元の物」と考え、アニメを全く評価していませんでした。(唯一、平成バカボンだけは原作に近い分、評価しています) その時に読まれたという事は70年年代でしょうか? 赤塚先生は初め馬鹿を主人公にした(何とバカボンの方)ほのぼのとした漫画を描きたかった様ですがそれは初め数作で行き詰まり方向転換さぜる得なかったのです。(これはおそ松くんやもーれつア太郎でも同現象が発生している) バカボンのキャラが立たなかったのでオヤジの方を使ったり、はじめちゃんとかを使い出したわけなんです。でも、それも単身だけだと直ぐにネタ切れを起こした為に、オヤジに変人や変態を絡ませていったのです。(それはバカ田大学とか)それもやがてネタが切れると赤塚先生はNew Yorkに行ってMadやらの影響を受け、かなりアナーキーで実験的な作品を取り込む様になりました(それが顕著なのがサンデーに連載されていたレッツラゴンですがこの前衛的で破壊的なギャグはあまりに時代を先取りし過ぎたために人気は出ませんでした)
 Elwoodさんがマガジンを読んだ頃ってその頃じゃないかと思いますよ。それに赤塚先生は古くから作品を分業化しており、先生のBrainは長谷邦夫、古谷三敏、北見けんいち、高井研一郎で各人は少年誌の編集者達と毎週アイデアを練って作っていったようです。バカボンの殆どのキャラは高井研一郎先生が作り、その「どうして小僧」は古谷三敏先生のネタだと思われます。

 その「どうしてですか?」の小僧はパターンを変えて週間文春に連載されていた「天才バカボンのオヤジ」の方にも登場し「女性でもオナニーするのですか?」とか父親をドギマギさせる様な質問する話で数回登場します(これは高井研一郎先生の完全な作品なんですが)
 それからマガジンにも「讃えよ、鉄兜」と連呼するバカ息子でも登場しています。(物語はちょっとずれるけどオヤジが息子に偉人の本を買い与えて、お前もこの本の様な人になりなさいと言ったらもその本の中身が鉄兜専門誌だったために息子が、何を言うにも讃えよ、鉄兜という言葉しか発しなくなったという物語)
 実際に一人の人が長期に渡り一線でギャグマンガを書き続けるという事は不可能であり、早くからそれを赤塚先生は見抜いていたようです。(もっとも漫画家を映画作品の様に複数の脚本家を使ったり、作業の細かい分業化をしたのはさいとうたかお先生ですけどね)

 お早う御座います、 
ちよっと書き忘れましたがモーニングと言えば「クッキングパパ」とかが好きですね。この手の漫画は直ぐに勝負だ、お前の料理は本物の豆腐じゃないとか、血生臭いバトルに発展してDragonball的に強さのInflationを起こすというのが常套なんですけど、この漫画はそんな勝負はなく結構、ホンワカしたAt Home的な内容なところが好きなんですよ。
これの前身な「クッキングボス」という漫画も読んでみようかと思っています。後はモーニングの美味しんぼ的存在「島耕作シリーズ」がありますねぇ。これも課長辺りまでは面白くて読んでましたが最近ではraw-mangaで落としiTouchで流し読みする程度ですね。本人が連載を止めたくても止められない諸事情があるんでしょうね。後は榎本先生のゴールデンラッキーが異常に好きでしたね。(*^。^*)

ん~、バカボンやパパが出てくる「天才バカボン」のマンガを読んでいたのは、たぶん講談社の『たのしい幼稚園』です。
バカボン・パパが「♪たんたん、たの幼、たの幼、たん」と歌っているコマがあって、その時に「たの幼」が「たのしい幼稚園」を略した呼び方であることに気付き、初めて略語の概念を知りました。たぶん4-5歳ぐらいでしょう。

その後、少年マガジンで「天才バカボン」を読んだのは、正確には覚えていないけど、小学校の低学年でしたね。
父に連れられて、入院している誰かをお見舞いに行ったときに、入院中に読み飽きたマンガ雑誌を1冊ずつ貰って帰ったような気が……いや、あれは少年チャンピオンだったか?? とにかく、普段家にはないはずの少年マガジンが、なんらかの事情で家にあって、それを読んだのは確かです。単行本は読んだことがないもんで。

ちなみに「クッキングパパ」は、現在モーニング誌上で連載されているマンガの中で、唯一読み飛ばしている作品です。
だって、内容がいつも同じで変化ないんだもん!w

どっちかっーと西遊妖猿伝が再開された事が嬉しかったデス  (^_^;)

 赤塚先生が作品を全て代筆させていたり、アル中で廃人同様で死んでも、赤塚不二夫は私に取って永遠に不滅の金字塔なんです。(;^_^A アセアセ…

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このページは、Elwood Bradhamが2009年3月12日 22:57に書いたブログ記事です。

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