突然だが、俺には韓国のソウルに結構な数の友人たちがいる。その昔、太極旗(韓国の国旗)がPEPSIのグローブに似ているというだけ理由で、IPDL極東支部向けのネタのために訪韓したのだが、現地で友人が次から次へと増えたせいで、なんとなくハマってしまった。今ではある程度は韓国語で話せるようになったし、韓国語のチャットもそれほど苦にならないぐらいだ。
そんな友人たちの中の一人に、李HW君がいる(以下、"李君"。韓国人の苗字の種類は日本人よりもずっと少なく、同姓同名が多いので、苗字を晒すぐらいならケンチャナヨ)。
李君は、今年のGWに会った時までは「彼女欲しい～、早く結婚してえ～」と身悶える典型的な独身男だったのだが、その2カ月後にいきなり「秋に結婚する。夏休みに婚約者を連れて東京旅行するのでヨロシク」と言い出した。
驚きはしたものの、遠方から友人がヨメさん連れて来ると言っているんだから、ちょっくら旅の演出を手伝って、友人の株を上げてやろうってことで、今年の夏に彼らが来たときには、和食会席のコースで出迎え、別の日に横浜の街を案内して、最後に穴場の花火大会に連れて行って......と、名(迷?)ガイドぶりを披露して、新婚生活が良い日々になるよう祈りつつ、彼らを見送った。俺って意外といい奴じゃん。面白くねえな。
李君も「11月29日の結婚式にはぜひ来てくれ」と言うので、長期休暇とはぜんぜん関係ない季節ながら、週末前後の平日に休暇を入れて、3泊4日で行くことにした。
んで、結婚式の約2カ月前にあたる9月30日に航空券を購入。いつもなら1カ月前～1週間前ぐらいに慌しく買うのだが、今年から空席が多いと予想されているうちは値段が安いという、ANAの「スーパーエコ割」の発売が開始されたので、さっそく利用してみた。ブッキングクラス[Q]に限りなく近い、新設の[L]クラスだが、それでも正規航空券なので、生涯マイルもプラチナ・ポイントも貯まるので文句はない。
あとは、李君からの招待状が届くのを待って、式場へのアクセスが良い宿を決めるだけ......だったんだけど......。
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航空券を買った翌日(10月1日)の深夜、李君から電話がかかってきた。招待状の送り先の住所が分からないのだろうか？それとも、まさか、マリッジ・ブルー？
何にせよ、ナイスなタイミングだと思って電話に出てみたのだが、李君の口から発せられた言葉は......
「婚約破棄しました」
ネット風なら、
「ちょっ！ばっ！おまっ！」
車田正美調なら、
「なっ、なにぃっ！」「ばっ、バカなぁっ！」
というのが、この瞬間の正直な気分。ナイスなタイミングどころか、航空券買った翌日ってのは最悪のタイミング。
まあ、結婚は本人たちの意思の問題なので、俺が怒る理由なんてないし、俺も今回に限って早めに航空券を手配したのも確かなので、李君に責任なんてあるはずもない。
電話の向こうの李君は明らかに酒に酔っている様子で、つまり、ヤケ酒をかっ食らっていたんだろう。この状況で何が原因なのかを訊くのも酷なので、そうかそうかうんうん、と頷いてやるので精一杯。だって、慰めや励ましのための韓国語なんて知らないしな。
そんなわけで、李君の結婚式はなくなり、俺のところには航空券だけが残った格好だが......これを払い戻すか、そのままソウルへ旅行に行っちゃうか、激しく悩んでいる。
会社には「友人の結婚式があるのでソウルに行ってくるnida」と言って休暇を取った手前、結婚式がないと分かっているのにソウルへ行くのは嘘になる。まあ、事情を正直に言って普通にソウルに遊びに行っても問題はないし、友人も多いので退屈はしないだろうが、そもそもの目的がなくなったのだから、それなら長期休暇のときにもっと長く滞在してのんびりしたいのも本音だ。
それでも、何人かの友人たちには「11月末にソウルに行く」と連絡済みなので、彼ら(彼女ら)にいちいち李君の婚約破棄のことまで説明するのも面倒だし......
......と、まあ、こんなことがあったのだが、そのとき俺は、IPDL極東支部の旧レンタル・サーバーが逝っていたことを知ったばかりで、半分パニックになっていたので、こっちの件は放置したままだったよ。昨日まで「ネタがない」って慌てて俺昼の写真なんて載せていたくせになｗ
それはそうと、さあて、どうするかなあ......。
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