ソウルでの怠惰な休暇 (7)

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このblogは、「ENJOY KOREA」への投稿文の再掲です。
ENJOY KOREAがリニューアル後、過去の掲示物を削除することになったため、一部に加筆・修正をして、個人blogへ残すことにしました。
なお、日付はENJOY KOREAへの投稿日に合わせてあります。また、コメントはすべて省略してあります。

【Part 7】3日目・5月1日(火曜日)

♪熱湯にポチャン!と3分で終わり
♪袋のまま取り出せば 美味しいよ
♪3分カレー 日曜日は だるまカレー 3分カレー

こ の歌詞が翻訳できるかどうかは問題ではないですよ。重要なのはカレーですよ。インドとスリランカに次ぐカレー大国に生まれたからには、一週間のうちに必ず1回はカレーを食べたくなるですよ。いや、食べなければならないですよ。これは日本人の義務ですよ。明文化されていないが、日本人の不文律ですよ。輸入した小麦で作るラーメンよりもカレーを食えですよ。そのためにお米を作れですよ。たわわに実った黄金の稲穂こそが、かつてマルコ・ポーロが記した「黄金の国」の拠り所ですよ。そうしてできたお米に黄金色のカレーをかけて食うですよ。これぞ神が与えし至福の味ですよ。キレンジャーも鼻田香作もクルル曹長も付いて来いですよ。日本をカレーで埋め尽くせですよ。日本をインドにしてしまえですよ。


俺のカレーに対する愛情は、この程度では語り尽くせないが、翻訳できる文字数にある程度制限があるようなので、詳細は割愛する。

// 注:この記事はもともと翻訳掲示板に投稿したもので、投稿当時は翻訳上の制約を受けていた。

水原から戻ってきて、シャワーを浴びてビールを飲んで、なぜか上のようなノリになっていたので、カレーを作ることにした。
時刻は午前0:45ぐらい。だるま3分カレー(韓国のレトルト・カレー)なら 0:48には完成して、0:55までに食べ終えているはずだが、カレーとはそんなに甘い物ではない。もっと辛い(からい/つらい)物なのだ。


みじん切りにしたタマネギを炒める。焦げないように弱火で40分ぐらい、濃い茶色になるまで炒める。3分カレーなら10回以上完成している計算だ。でも、途中で飽きたw

野菜は大きく切って炒める。肉も大きく切りたかったのだが、肉屋の店員が小さくカットしやがったので仕方がない。しかも軟らかいヒレ肉だから、混ぜているうちにさらに小さくなってしまった。
韓国でカレーを作る時に、お肉や野菜を小さく切るのは、80年代に「だるま3分カレー」が普及してカレーが定着して、それがdefaultになったため、 レトルト・カレーと同じように野菜を小さくカットするのだと、日本への留学生が言っていたが……真偽はともかく、野菜は大きく切ろう!切った野菜は面取り しておけば、炒める時にうまく転がるし、長時間煮ても煮崩れしないからね。

煮込むぞ!このまま30分ぐらい。


で、今日のカレー粉は、この「横浜舶来亭 BLACK辛口」。袋も黒いがカレーも黒い。香りが良くて割とからい。
写真は無いが、これと「S&B ゴールデン・カレー 辛口」をミックスする予定だったが、このBLACKカレーはフレーク状なので、袋を傾けた時に一気に鍋の中に入ってしまった……鍋が小さいので、あまり水を注ぎ足すこともできない!失敗した!!w


まあ、多少のミスはいくらでもフォローできるところがカレーの良いところwww
気を取り直して、チャツネ、フェンネルを加え、ついでに Part 5で紹介した「溶けたチョコレート」も加えて、ちょっと味見…… GOOD!

さらに煮込む。焦げないようにゆっくりかき混ぜながら、最低でも1時間。この日は4:00AMぐらいまで煮込んでいた。

3分カレーは 3分で完成する。
主婦が作るカレーは30分ぐらいで完成する。
しかし、男が作るカレーは最低3時間かけて作らなければならない。
これは敗北を意味するのか?否、始まりなのだ!
主婦のカレーに比べ、男のカレーは1/6のスピードである。
それにも関わらず深い味わいと豊かなコクが出るのは何故か?
諸君!我ら男たちのカレーが正しいからだ!
全身全霊を傾けて、硬派なカレーを作っているからだ!
さらにパワーが余っているのなら、
野菜も肉も軟らかく煮込んでピューレしよう!
フード・プロセッサーなどは邪道だ!
男のカレーは、すべて自らの手で裏漉しすべきなのだ!

日韓のカレー好きの男たちよ、煮込め!
キーボードをお鍋に変えて、煮込めよ男たち!
カレーは諸君らの力を欲しているのだ!

なぜか「日本印度化計画」にガンダムが混ざってしまった。
まあ、異論反論あるだろうけど、とにかく長時間煮込むのは男のカレーの基本中の基本。野菜を大きく切るのも、まさにこのためだ。
そして、完成してすぐに食べないこと。火を止めて完全に冷めてアミノ酸が出るまで待った後、再び温めて食べる。これ、最強w
「君のために 5時間も煮込んで作ったんだぜ」とか言って女性に食わせたら、相手のハート、ちょっと揺れるぜ。でも「君のために 3年も煮込んで作ったんだぜ」は絶対に NGだw アミノ酸が出て熟成するのは2,3日が限度だ。

「お坊ちゃま……お坊ちゃま、またソウルのお話から逸脱しておりますぞ」
「だって、爺。メグちゃんがね、僕が作ったカレー、世界一美味しいって言うんだよ」
「はて?以前にメグ様が仰っていた世界一とは、おにぎりの味ではございませんでしたか?」
「そうだったっけ?でも今はカレーなんだよ」
「それよりもソウルのお話を……」
「え、いやだよ。もっとカレーの話をしていたいよ」
「なりません、お坊ちゃま!お父様からのご命令でございます!」
「いやだよ、勘弁してよ、爺!」

俺に最も厳しい執事の顔が脳裏に浮かび、これが夢であることを悟った。なぜなら俺の家には執事などいなかったからだ。
悪夢から目覚めた頃には 9:00AM近くになっていた。カレーを作った後、5:00ぐらいに寝たので 4時間ぐらいは眠れたわけだ。水原駅に11:00AMの約束なので、手早く身支度を整えて出発しなければならない。



3分カレーよりも明らかに黒いが、紛れもない日本式カレーだ。でも、やっぱり、カレー粉が多かったようで、水分が少ない"もっさり"とした感触になっている。味は決して悪くない。
サラダが欲しいところだが、既に宿の朝食タイムは終わっているので、このまま食った。

水原駅行きのバスに乗るために、再び江南駅へ。
3番出口のスタバ前にバス停が見当たらないので、バスを待っている男性に尋ねてみた。

俺:「水原駅へ行く3000番のバス停はどこですか?」
男A:「あ、たぶんここだと思うけど……」
俺:「どこに並びますか?3000番って書いていないので分からなくて」
A:「どこかな?ちょっと待っていてください」

……ごめん。これは前の日の滞在記だったw

今度は迷わずにバスに乗り込み、水原駅へと向かう。やや寝不足だったので、終点までの約1時間、眠ることにした。

《つづく》

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このブログ記事について

このページは、Elwood Bradhamが2007年5月13日 17:00に書いたブログ記事です。

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