ソウルでの怠惰な休暇 (2)

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このblogは、「ENJOY KOREA」への投稿文の再掲です。
ENJOY KOREAがリニューアル後、過去の掲示物を削除することになったため、一部に加筆・修正をして、個人blogへ残すことにしました。
なお、日付はENJOY KOREAへの投稿日に合わせてあります。また、コメントはすべて省略してあります。

【Part 2】1日目・4月29日(日曜日) - 続き

仁川空港のバゲッジ・カルーセルの前で30分以上も待って、ようやく俺の荷物が出てきた。時刻は既に14:30を回っていた。
あと2時間30分以内に、仁川空港→江南駅→宣陵(宿)→新村まで行かなければならない。
到着ロビーでレンタルの携帯電話を受け取って、空港バスに乗り込み、ソウル市内へと向かう。バスでは時間が読めないが、おおむね1時間で江南駅に着くはずだ。残り1時間30分もあれば何とか間に合うだろう……と、その時、バスの中で突如気付いた。

そんなに急いでいるのなら、

TAXIに乗れば良かったんだ……orz

仁川空港が開港する以前は、ほとんど金浦空港からTAXIで目的地に行っていたが、仁川空港からはいつも空港バスかリムジン・バスに乗っていたので、半ば習慣のように脚がバス乗り場に向かっていたのだ。TAXIなら、いちいち江南駅で降りる必要もないじゃないか。
しかし、バスは既に高速道路を走っている。まさか「ここで降ろしてくれ」とは言えないので、諦めて韓国の友人たちの連絡先をレンタルの携帯電話に入力して、何人かの友人に電話した。


今回レンタルした携帯電話(宿にて撮影)
以前は日本語&英語対応の端末だったが(その前は自分のPCSを使っていた)、キャンペーン期間中でSMSの送受信が無料だというので、今回は韓国語の端末を借りてみた。

非常に使いやすい端末で、細かい操作も15分もあれば覚えてしまったが、ハングルの母音の入力だけが、いくら試してみても分からなかった。(後で友人に教えてもらってようやく分かったが) いくら試しても[|]と[─]しか入力できないので、完全に袋小路に陥ってしまい、バスの中では何人かの友人に電話したのを除けば、ほとんど入力方法を探すだけで時間が潰れてしまった。

友人の一人、エリに電話をした。今日の夜は予定が無いので、俺と一緒に新村まで行くと言っていたはずだ。

俺:「もしもし?今、仁川から市内に向かっているよ」
エ:「あ、そう。それじゃあ、宣陵まで行くので、そこから一緒に行きましょう」
俺:「それが、時間があまり無くて、たぶんチェックインしたらすぐに出発しないと間に合わないよ」
エ:「なぜ?7時に新村でしょ?」
俺:「7時?違うよ、5時だよ!」
エ:「え?MSNで7時だと……」
俺:「もしかして、17時と7時を……まあいいや。先に行っているから、後からゆっくりおいで」

ありがちなミスだ。今回は MSNで「17時」と伝えたために読み間違えたのだろう。電話だったならこんな間違いは無かったかも知れないが、俺は実は電話が苦手だ。

16時近くになって、ようやく宣陵のレジデンスにチェックイン。
さっそく部屋に荷物を運び込んで、部屋の中をチェック。お湯は出る。照明のスイッチも 問題ない。TVも映るし、調理器具も電子レンジも炊飯器もある……あれ?いつもと同じタイプの部屋なのに、何かが足りない。何かが…………机だ!机がな い!

な、なんだってー!!!

いつもなら必ず設置されているビジネス・デスクが無い。机があるはずの空間がぽっかりと空いている。もしかして、LAN ケーブルも無いのか?……いや、LANケーブルはTV台の脇にあった。しかし、この狭いTV台の上にPCを置いたら、食事をするスペースは取れない。灰皿 1個とデジカメの充電器を置くのが精一杯だ。
どうする?フロントに電話して机を入れてもらうか?いや、もう時刻は16時15分だ。何分かかるか分からない依頼をして待つよりも、約束の時間に待ち合わせ場所に着く方が先決だ。とにかく、カバンを開けて、バッグにお土産を詰め込んで、慌てて部屋を出た。

フロントで「部屋に机が無いので入れておいてくれ」と頼んで、駅へと……いやいや、いつもこの宿を選ぶ理由の一つがここにあった。宿の近くにはLPGのスタンドがあって、TAXIを拾うのがものすごく楽なのだ。さっそく1台の TAXIに乗り込んだ。

俺:「新村までお願いします」
運転手:「え?何処だって?」
俺:「新村だよ、新村(SinChon)」
:「蚕室の方の新川(SinCheon)か?」
俺:「違うよ、HanBukの新村」
:「韓服?……ああ、ああ!江北(GangBuk)!江北ね!」
俺:「あ、俺、また発音を間違えたかな?」
(←「漢江」という単語があるせいで、よく間違える)
:「江北の新村ね。ハハハ、どの国の人だい?」
俺:「日本人だよ」
:「日本人か。韓国語上手だね」
俺:「いつもそう言われるんだけど、分からない言葉が本当に多いんだよ。今も江北の発音を間違えたし」
:「いやいや、外国人が乗ると英語が分からなくて苦労するので、韓国語で話してくれるだけでも楽だよ」

こんな会話が結構好きで、ソウルでは何でもない距離でも TAXIを利用することが多い……あ、日本でもそうだったw

俺:「技師様(=運転手さん)、この時間なら、新村までどれぐらいで到着するだろうか?」
技師:「う~ん、30分か40分ぐらいかなあ」
俺:「漢南大橋じゃなくて、盤浦
大橋から行く方が早いんじゃないか?」
技師:「この時間は橋の手前で混雑するから同じだよ。急ぐのかい?」
俺:「うん、5時の約束なんだ。それよりも、早くタバコを吸いたいんだ」
(←ソウルのTAXIは乗客も禁煙)
技師:「ハハハハハ!」

道路は技師様の言葉どおり、漢南大橋の手前で大渋滞になっていた。緩やかな坂の下から上まで、車の列が連なっている。
約束の時間に間に合うかどうか微妙だったので、エンコリ旅行板の海軍大将・彭佳嶼さん(←日本人)に SMSを送ってみた。ハングルの入力方法は分からないけど、ローマ字なら問題ない……でも、16時半を過ぎても返事も電話も来ない。
電話をかけてみたが、応答がない。どうやって連絡しようか……そう考えていたら、こっちの電話にコール・バックがあった。

俺:「もしもし?」(日本語)
女性:「もしもし?」(韓国語)
俺:(え?女性の声?)「もしもし?」(韓国語)
女性:「電話があったみたいだけど、何の用件ですか?」(韓国語)
俺:「あ、これはあなたの電話ですか?男の友人に電話したつもりだったが……」(←完全に混乱状態)
女性:「何?何の話?」
俺:「ああ、ごめんなさい、ごめんなさい。たぶん私が電話番号を間違えました」
女性:「あ、そうですか」
俺:「ごめんなさい。本当にごめんなさい……」

なんてことだ……電話番号を間違えていたなんて……しかも……「申し訳ありません」の一言が咄嗟に出てこなかったのだ。見知らぬ女性の方、あの時は本当に申し訳ありませんでした……え?問題はそこじゃない?待ち合わせの時刻だって?

案ずるな。技師様がTAXIを飛ばしてくれたお陰で、間違い電話へのコール・バックが来たころには、既に阿峴(アヒョン)まで来ていた。時刻は 16:45ぐらい。これならまったく問題はない。
約束の10分前には待ち合わせ場所の現代百貨店前に到着して、ゆっくりタバコを吸いながら大将殿を待っていた。

その間に、水原に住むアカネから SMSが届いた。
ローマ字で「ASHITA YORU7JI NI SUWON-EKI DE AIMASHOU. WATASHI NO HAHA MO ISSHONI AIMASU」(=明日、夜7時に水原駅で会いましょう。私の母も一緒に会います)と書いてあった。
早速OKの返事をして、現代百貨店の入口に立つ彭佳嶼大将の姿を確認して合流した。

《つづく》

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このブログ記事について

このページは、Elwood Bradhamが2007年5月 7日 21:14に書いたブログ記事です。

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